栄養と視力の関係

バランスの良い食事は視力に影響するのか?

栄養プログラムを受ける前を後で継続的に子供たちの視力測定を行うことで、
「栄養と視力の関係」について数値化する取り組みを2021年1月より始めています。
 
バランスの良い食事を摂ることで、子供たちの視力にどのような変化が起こるのかを、3歳児の子供を対象に継続的に視力測定を行い経過を追います。
残念ながら、コロナの影響から親子を集めての栄養プログラムが実施できないため、現在は中断しています。
 
 栄養と視力の関係を数値化する試みは、世界的にも前例が少ないため、貴重な情報となります。コロナが収束した暁には、再開する予定でいます。
 


 

3歳児対象の視力検査の方法

視力検査といえば、環についている切れ目の向きを 判別することで視力を測定する「ランドルト環」。
我々にとっては、誰もが一度は目にしたことがある 当たり前の指標ですが、視力測定を経験したこと のない東ティモールの人々、特に子供たちにとっては 未知のマークなのです。
 
特に、我々が検査対象としている 3 歳の子供たちが、抵抗なく少しでも答え やすくするために、まずはランドルト環ではなく、ドーナツの絵を使用して検査を行うことにしました。
 
右記のように、ドーナツの上下左右 4 カ所に動物の絵を貼り、 「ドーナツを食べたのは誰でしょう」という質問に答える ことで、遊び感覚から視力測定への導入を行います。慣れてきたところで、ランドルト環へと移行して いきます。
この方法は、日本小児眼科学会初代理事長・湖崎眼科前理事長・前院長 湖崎 克氏監修  桃山学院大学法学部健康教育学分野教授 髙橋ひとみ氏執筆の『3歳からできる視力検査』を参考にしました。
 
東ティモールの子供たちが楽しく視力検査できるよう、現地スタッフの意見を参考に馴染みのある動物を選択しました。真っ先に候補にあがったのが、なんと「ワニ!!」東ティモールではワニは自分たちの祖先でもある神聖な生き物として大切にされています。ワニ以外には「猫」「ニワトリ」「犬」です。
 
このドーナツを使った検査ですが、現地スタッフによると、  4 5 歳児の 検査は可能だが、 3歳児となると、動き回ってジッとすることが難しく、なかなか上手くいかないようです。こういった子どもの行動は万国共通ですね。
 
この、視力と栄養の関係に関する視力検査は、初めての試みですのでまだまだ手探り状態ではあります。その上コロナの影響で現在は中断していますが、今後少しずつ前進できるよう 取り組んでまいります。